高年者の余暇活動と社会参加はどのように関係しているのかを、娯楽の個人化という観点から検討した。余暇活動の中でも個人で行なう娯楽の一つとして、パチンコを取り上げ分析した。60歳~74歳の男性を対象にした郵送調査データの分析により、次のことが明らかになった。第一に、パチンコをする人は友人が少ない傾向にある。第二に、パチンコをする人は、そのほかに力を入れている活動を持たない割合が高い。これらのことから、パチンコを通した交流の広がりは期待しにくいこと、また社会参加にもつながりにくいことが明らかになった。本研究によって、娯楽の個人化の趨勢が、高齢者の社会参加に阻害要因としてはたらく可能性が示唆された。