日本CNS看護学会誌
Online ISSN : 2434-4079
Print ISSN : 2189-5090
研究報告
行動化を有する患者への精神看護CNSの介入技法と治療的要因
─セルフケアモデルにPAS理論を用いて─
宇佐美 しおり
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 2 巻 p. 5-12

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抄録

 今回、セルフケアケアモデルにPAS理論を導入し、行動化を有する患者に焦点を当て、介入技法、治療的要因を事例研究で明らかにした。2015年(平成27年)から2016年の間、精神看護CNSが関わった事例で、行動化を有する患者9名への精神看護CNSの介入技法は、「怒りのベクトル(対象)の明確化」「怒りのエネルギーをCNSがコンテインする」「怒りの対象との心理的距離の保持」「行動化のストレッサーの回避」「行動化のストレッサーの認知」「エネルギー運用のポジテイブフィードバック」「愛情対象の焦点化」「パフォーマンスの強化」「情緒的エネルギーの交換」「行動化以外の対処方法の検討」「対処行動の獲得」「現実吟味力の検討」「傷つきのある内的世界の保護」「母とのバウンダリーの明確化」「内的世界と外的世界のバウンダリーの確保」「患者の欲求、願望、意思の明確化」が、治療的要因としては、〈怒りの安全空間供与〉〈安全空間保持〉〈運用エネルギーの増幅〉〈エネルギー使用の転換〉〈共感〉〈コーピング〉〈自我機能の拡大〉〈自他バウンダリーの強化〉〈リビドーベクトルの明確化〉が抽出された。

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© 2016 一般社団法人日本専門看護師協議会
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