日本臨床歯科学会雑誌
Online ISSN : 2759-1883
Print ISSN : 2435-8517
酸蝕症により咬合崩壊した症例に対し咬合再構成治療を行った2症例
谷尾 和正
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 10 巻 1 号 p. 92-100

詳細
抄録
症例の概要:酸蝕症によって口腔内が崩壊した患者に対し,Turnerの分類を参考にして治療計画を立案し,機能回復を図った2症例を報告する. 考察:酸蝕症による咬合崩壊患者を治療するにあたり,下顎位のずれの有無(中心位と最大咬頭嵌合位),tooth wearの進行速度による代償的な歯の挺出,咬合高径の低下の有無など,個々の患者を把握し,治療しなければ良好な治療結果は得られない.また,クラウン・オクルーザルベニア・ラミネートベニアを使い分け,さまざまな状態を有する患者に合わせた治療計画を立案し,良好な咬合(アンテリアカップリング・バーティカルストップ),歯周組織の安定を図ることが必要である. 結論:生活スタイルや嗜好品を把握し,Turnerのtooth wearの分類を参考に,個々の患者の酸蝕症の進行状態に合わせ,可能であればMI(minimaly invasive)を考慮した治療を行うことにより,長期的な口腔機能および審美性の改善を行うことができる.
著者関連情報
© 2024 日本臨床歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top