日本緬羊研究会誌
Online ISSN : 2186-1013
Print ISSN : 0389-1305
ISSN-L : 0389-1305
めん羊の反芻時における吐き戻し食塊の性状と粒度分布の経時的変化
津田 恒之寺田 文典半澤 恵渡邉 誠喜
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1993 巻 30 号 p. 30-36

詳細
抄録

食道フィステルおよびルーメンフィステルを装着しためん羊を用い, 反芻時における吐き戻し食塊の性状と粒度分布を経時的に追跡した。1) めん羊3頭 (平均体重30kg) を用い, 飼料はアルファルファヘイキューブ1日1回, 2時間与えた。2) 本実験条件下での総吐き戻し量は3391g/日・頭であった。3) 1回吐き戻し量は最小5g, 最大80gの間に分布したが, 20gを吐き戻す頻度が最も高かった。平均して1g/回・kg体重を吐き戻すとみなされた。4) 吐き戻し食塊の乾物量は平均7.4%であった。採食後の時間経過に伴って, わずかに減少した。5) ナイロンバッグ法による吐き戻し食塊のルーメン内乾物消失率は50.4%であって, 経時的変化は見られなかった。6) 得られたすべての食塊の平均粒度分布は大粒子 (>1190μm) 14%, 小粒子 (1190~45μm) 42%, 可溶性区分 (<45μm) 44%となった。大粒子区分は経時的に減少したが, 他の2区分には変化は見られなかった。7) 吐き戻し食塊の平均粒子径の平均は635μmであり, 経時的変動は見られなかった。

著者関連情報
© 日本緬羊研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top