日本緬羊研究会誌
Online ISSN : 2186-1013
Print ISSN : 0389-1305
ISSN-L : 0389-1305
めん羊3品種の繁殖特性
大内 望八巻 邦次山岸 敏宏鈴木 正己多田 正明紺野 朋夫
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 1993 巻 30 号 p. 43-47

詳細
抄録

めん羊3品種を用いて, 分娩形質における品種の特性を分析した。使用したデータは, サフォーク (SF), コリデール (CO), チェビオット (CH) の1991~1993年におけるそれぞれの母羊の産子数, 子羊の生時体重, 死亡率および死亡日齢である。母羊について膣脱の有無とその影響を調査した。また, 無採血群と採血群についても前記の項目でも比較した。
SF, COおよびCHの産子数は, 1.6頭前後で, 有意な品種間差は認められなかった。生時体重は, SF, CO, CHの順に大きく, それぞれ3.58, 3.34, 3.13kgで, SFとCO, CHの間に有意差が認あられた (P<0.05) 。性の間にも有意差が認められ, 雄が雌よりも0.26kg重かった (P<0.05) 。産子数別では一子, 二子, 三子の相互間でそれぞれ有意差が認められ, 三子がもっとも軽かった (P<0.05) 。死亡率は, 品種および性別では差がなかったが, 年次により死亡率が大きく変動し, 飼養環境の相違が死亡率に影響することが示唆された。死亡日齢は品種間および性の間で差はなかったものの, 産子数では一子と三子の間に有意差が認あられ, 二子のものは中間値を示し, 産子数の増加とともに死亡率も増加することが確認された。
膣脱はSFのみに認められた。子羊の死亡率および死亡日齢にっいて正常母羊と膣脱母羊の間に有意差は認められなかったが, 子羊の死亡日齢は正常母羊よりも膣脱母羊が早い傾向であった。膣脱の母羊は死亡率が43%と高い値を示した。
無採血群と採血群の間には, 生時体重, 死亡率の相違は認められなかったが, 死亡日齢で無採血群よりも採血群が早い傾向にあった。

著者関連情報
© 日本緬羊研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top