日本緬羊研究会誌
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羊卵子における体外受精法の検討
細江 実佐薛 暁先于 海泉労 文燕包 旭日干塩谷 康生
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1996 年 1996 巻 33 号 p. 1-5

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抄録

羊における体外受精技術の確立のために, 食肉処理場由来の卵巣からの卵子採取法と体外受精法について検討した。18Gと22Gの注射針を用いた吸引採取法あるいはメスで卵胞を切開して小匙でかき出す卵胞切開法による卵巣1個あたりの回収卵子数は, それぞれ3.7個, 5.1個および12.3個であった。そのうち卵丘細胞層の付着状態から判断して体外受精に供することのできる良質な卵子の割合は, それぞれ67.2% (182/271), 91.7% (233/254) および91.2% (571/626) であった。羊精子の受精能獲得誘起処理にヘパリンを用いて体外受精を行った結果, 体外成熟卵子が胚盤胞に発生した。発生用培養液としてTCM199と修正SOFaaを用いたところ, 卵割率はそれぞれ76.40%, 60.4%とTCM199が優れていたが, 胚盤胞への発生率は6.6% (7/106), 17.7% (17/96), 脱出した割合は1.9%, 10.4%であり, 修正SOFaaが有意に優れていた。

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