日本泌尿器科学会雑誌
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原著
女性泌尿器科外来の受診に際して利用された情報ツールと最近の動向:受診患者3,480人の解析
高比 優子上阪 裕香木内 寛山口 晶子加藤 稚佳子木村 敏夫竹山 政美市丸 直嗣
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2012 年 103 巻 4 号 p. 617-622

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抄録
(目的) 女性泌尿器科疾患は中高年においてその有病率が高いにもかかわらず,疾患に関する一般的な知識や情報が乏しい.そこで女性泌尿器科患者が疾患に関する情報をどのような情報ツールを利用して,収集しているのかについて検討を行った. (対象と方法) 対象は2005年1月から2008年12月までに健保連大阪中央病院泌尿器科の女性外来初診患者3,480人.初診時にどのような情報ツールを利用したかについてのアンケートを行った. (結果) 受診前に利用した情報ツールは,新聞が39.9%と最も多く,次いで他院からの紹介(17.8%),インターネット(15.7%),TV(14.8%),家族や知人からの紹介(6.0%),著書・雑誌(3.2%),講演活動(0.6%)の順であった.4年間の変化をみると,新聞,TVを利用した患者は掲載数や放送数により増減が認められる一方で,インターネットを利用した新規患者は年々増加し(p trend=0.041),2008年では他院からの紹介に並ぶ最も利用されるツールのひとつになった. (結論) 女性泌尿器科疾患に関する情報ツールとして,新聞が最も利用されていた.近年ではインターネットからの収集が顕著に増加しており,今後インターネットが最も重要な情報ツールとして利用される可能性が示唆された.
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© 2012 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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