2016 年 107 巻 2 号 p. 126-128
40代male to female(MTF).2013年に性別適合手術(sex reassignment surgery:SRS)を施行した.SRSは両側精巣摘除,陰茎切断,陰核・外陰部形成および造膣を施行し,造膣には約20cmのS状結腸を腹腔鏡下に遊離して用いた.総手術時間8時間45分,出血量920ml,輸血は施行しなかった.術後8日目に合併症なく退院した.術後3カ月目の診察では外陰部所見に異常なく,膣は幅4cm,深さも10cm以上確保されていた.以上より,腹腔鏡下にS状結腸を遊離して造膣を施行したMTFに対するSRSは良好な経過であった.