2016 年 107 巻 2 号 p. 93-99
(目的) 尿路結石症に対する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の衝撃波照射速度は,低パルス数が有効であるという報告が多い.パルス数120/minと60/minについて,SonolithⓇ Praktisを用いた単回ESWLの治療成績を後方視的に比較検討する.
(対象と方法) 227例の初発尿路結石症に対して,SonolithⓇ Praktisを用い,2010年7月から2012年4月まではパルス数を120/min(88例),2012年5月から2014年5月まではパルス数を60/min(139例)として初回ESWLを施行した.ESWL治療4週間後の完全排石率を評価した.
(結果) 120/min群 vs 60/min群の2群間で,全排石率は39.8% vs 59.0%であった(p=0.0047).そのうちU1結石の完全排石率は53.1% vs 72.0%であり(p=0.028),いずれも60/min群で有意に高かった.多重ロジスティック回帰分析の結果,パルス数60/minは完全排石の独立した予測因子だった(p=0.002).有害事象発症率は6.8% vs 1.4%であった(p=0.058).
(結論) SonolithⓇ Praktisを用いたESWLの衝撃波照射速度60/minは,120/minと比較して良好な治療成績であり,至適パルス数として妥当であると考えられた.