2017 年 108 巻 1 号 p. 52-55
骨盤骨折に伴う後部尿道外傷の1例を経験したので報告する.症例は24歳男性.骨盤外傷による不安定骨盤骨折にて当院搬送となった.逆行性尿道造影により,後部尿道外傷と診断し,膀胱瘻留置とした.1週間後内視鏡下に尿道カテーテル留置を試み,尿道カテーテル留置とした.3カ月後,排尿時膀胱尿道造影検査にて,狭窄がないことを確認し尿道カテーテルを抜去とした.しかし,5日後尿閉を主訴に来院し,膀胱鏡にて尿道狭窄を確認したため,待機的尿道形成術施行の方針とした.その5カ月後,尿道形成術を施行した.術後経過良好であり,31日目に退院となった.術後7カ月現在狭窄なく経過している.