2017 年 108 巻 4 号 p. 234-237
症例は38歳女性.帝王切開術後より常時尿失禁を認めたため,当科を紹介受診した.各種検査を施行し右尿管子宮瘻の診断となった.
Psoas hitch法を用いた右尿管新吻合術および子宮摘除術を施行した.術中所見では右下部尿管の子宮への強固な癒着と,尿管が子宮に結紮されている所見を認めた.癒着が強固なため,子宮摘除術を併施した.術後は尿失禁が改善し,術後3カ月で施行した点滴静注腎盂造影で右水腎の改善を確認した.術後2年が経過したが尿失禁の再発や腎機能障害を認めず経過良好である.