金沢医科大学病院で施行した経直腸的前立腺生検術につき成績を検討した.
(対象と方法)2002年1月から2021年12月までの20年間に当院で施行した1,935件を対象とした.年齢,血清前立腺特異抗原(PSA)値,前立腺推定容積,PSA density(PSAD),生検回数,生検本数に関する癌陽性率につき検討を行った.
(結果)年齢中央値は70歳(範囲36~96歳),血清PSA値は中央値7.6ng/mL(範囲0.19~15,823ng/mL),1症例における生検回数は平均1.3回(範囲1~6回),1件の生検におけるコア数は平均8.6カ所(範囲2~14カ所)であった.全体の癌陽性例は880例(45.5%),癌陰性例は1,055例(54.5%)であった.癌陽性群および陰性群の比較をするとそれぞれ,年齢,PSA値,前立腺容積,PSAD,平均生検回数,平均生検コア数にて有意差を認めた.