日本泌尿器科學會雑誌
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腎細胞癌の予後
眞田 壽彦
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1981 年 72 巻 1 号 p. 10-25

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抄録
1) 千葉大学医学部泌尿器科および2つの関連病院において, 腎別剔出術を施行した腎細胞癌症例104例を集計し, その臨床像, 臨床病理学的所見および治療法等につき, 検討を加え, これら各要因と予後との関連性につき解析した.
2) 期待生存率と累積生存率とを比較検討した結果, 治癒判定時期は, 厳密には, 術後15年以上, 推計学的には術後5年, と考えられた.
3) 累積生存率, 相対生存率, および, 5年以内死亡例と5年以上生存例の比較検討等において, 予後と最も良く関連性を示した要因は, 病期分類であつた. その他の因子で, いずれかの検討方法により, 比較的良く関連性を示した要因は, 静脈内腫瘍栓塞, 腎盂内侵潤, 血尿のみ, 腎重量, 発熱, および, 赤沈値等であつた.
4) 治療法と予後については, 病期分類別に検討したが, 関連性をみとめなかつた. しかし, 何らかの補助療法を併用した方が, 治療成績は良好であつた. また, 経腹腔式腎剔出術, および, ホルモン療法の併用等の治療成績が優れている傾向を示したが, 近年の術後管理の発展が影響を与えた結果とも考えられた.
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