日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
XXmales の1例
内島 豊坂本 修一平賀 聖悟岡田 耕市根岸 壮治
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 74 巻 6 号 p. 1057-1065

詳細
抄録

XX males の報告は性分化異常の中でも稀で, De la Chapelle (1964年) の最初の報告以来100数例の報告のみで, 本邦でも自験例を含めて16例が報告されているに過ぎない.
(症例) 29歳. 不妊を主訴として受診. 筋肉質の男性的な身体つきで, 身長167cm, 体重64kg. 女性化乳房認めず. 陰茎は正常大. 両側睾丸はいずれも約8ml. 尿道撮影では男性膣を認めず. 血中のFSHおよびLHは高値を示し, 血中の testosterone 値は僅かの低値を示した. 両側精巣組織はいずれも精細管内には Sertoli 細胞のみで, 間質では Leydig 細胞の増生を認めた. 口腔粘膜細胞の22%にX染色質を認めた. 口腔粘膜細胞および皮膚線維芽細胞にY染色質を認めなかつた. 未梢血および皮膚組織の染色体検査で46, XXであつた. H-Y抗原陽性であつた.
XX males について文献的考察を加えた.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事
feedback
Top