XX males の報告は性分化異常の中でも稀で, De la Chapelle (1964年) の最初の報告以来100数例の報告のみで, 本邦でも自験例を含めて16例が報告されているに過ぎない.
(症例) 29歳. 不妊を主訴として受診. 筋肉質の男性的な身体つきで, 身長167cm, 体重64kg. 女性化乳房認めず. 陰茎は正常大. 両側睾丸はいずれも約8ml. 尿道撮影では男性膣を認めず. 血中のFSHおよびLHは高値を示し, 血中の testosterone 値は僅かの低値を示した. 両側精巣組織はいずれも精細管内には Sertoli 細胞のみで, 間質では Leydig 細胞の増生を認めた. 口腔粘膜細胞の22%にX染色質を認めた. 口腔粘膜細胞および皮膚線維芽細胞にY染色質を認めなかつた. 未梢血および皮膚組織の染色体検査で46, XXであつた. H-Y抗原陽性であつた.
XX males について文献的考察を加えた.