日本泌尿器科學會雑誌
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精索静脈瘤の研究
第2報 ラットにおける実験的精索静脈瘤精巣の光顕的・電顕的研究
笹川 五十次片山 喬
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1986 年 77 巻 7 号 p. 1067-1077

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抄録

雄性ラットの左腎静脈に部分結紮をおこない, 精索静脈瘤を作成した. 精巣組織を術後4, 8, 12, 24週で採取し, 光顕的および電顕的に検討した.
観察結果は次のとおりであった.
1. 光顕による観察
Johnsen score count は精索静脈瘤群において他の群よりも有意に低値を示した. T/W比も精索静脈瘤群において低値を示した. しかしながら, Johnsen score count とT/W比の左右間における差は認められなかった. 精細管の変性は, 術後期間の長いものほど進行していた.
2. 電顕による観察
Sertoli 細胞の apical portion において細胞質の空胞化と小脳体の拡大を認めた. 精細胞の変性は, Sertoli 細胞の変性にひき続いて起こった. 基底膜の infolding および膠原線維の増生などの精細管壁の肥厚は, 術後24週で認められた.

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