日本泌尿器科学会雑誌
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燐酸塩尿の臨床的意義
戸塚 一彦石川 真也森田 辰男小林 裕石山 俊次徳江 章彦
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1989 年 80 巻 5 号 p. 700-703

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抄録

過去1年間に当科外来で認められた燐酸塩尿について検討し, 燐酸塩尿は外来における尿検査の1.5%に認められ, その出現頻度は尿路結石症 (ことにカルシウム結石症) に高いことを示した (p<0.01). 頻回に燐酸塩尿を示す症例の大多数は尿路結石症例であり (p<0.01), 燐酸塩尿はカルシウム結石の形成に関与していると考えられる. しかし, 燐酸塩尿と尿路感染症との間には密接な関係は認められず, 尿路結石症以外の疾患では燐酸塩尿の出現は尿のアルカリ化を反映しているにすぎないと考えられる.

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