1989 年 80 巻 5 号 p. 737-739
症例は41歳男性で, 頻尿と遷廷性排尿を訴えて受診した. 画像診断で膀胱頚部と三角部を中心に隆起性病変を認め, 経尿道的切除術を施行した. 病理組織学的診断は, cystitis glandularis であった. cystitis glandularis が排尿困難をきたすほど大きくなった症例は文献上報告がない. また本症例は13年前にも膀胱内の隆起性病変を指摘され, 生検により cystitis glandularis と診断されている. 10年以上におよぶ臨床経過から, cystitis glanlaris の成因, 悪性変化の可能性などにつき若干の考察が行なった.