日本泌尿器科学会雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
ISSN-L : 0021-5287
ヒト精巣機能におよぼす温度の影響
精巣DNA合成, RNA合成, 蛋白合成における至適温度
中村 正広野々村 祝夫並木 幹夫奥山 明彦高 栄哲近藤 宣幸竹山 政美清原 久和藤岡 秀樹
著者情報
キーワード: 精巣, 温度, 巨大分子
ジャーナル フリー

1989 年 80 巻 9 号 p. 1362-1366

詳細
抄録

ヒト精巣におけるDNA合成, RNA合成, 蛋白合成の至適温度を検討するために, 培養ヒト精巣組織への3H-チミジン, 14C-ウリジン, 14C-ロイシンの取り込みを28℃~43℃の温度条件で観察した. その結果, RNA合成, 蛋白合成は温度依存性に増加し, 37~40℃で最大になると考えられたが, DNA合成は31℃で最大となり, 微妙な温度感受性を示すと判断された. 従って, 精巣温度上昇による造精障害の根本原因の1つとして精巣DNA合成の障害が推察された.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top