1999 年 90 巻 11 号 p. 866-871
(背景と目的) 海綿体性勃起障害の症例123例に静脈手術を施行し, その長期成績を評価した.
(対象と方法) 対象の年齢は24歳から77歳, 平均53歳であった. 施行した手術は深陰茎背静脈手術が74例, 陰茎海綿体脚部結紮手術が49例であった.
(結果) 術後の観察期間は0.2から134.0ヵ月であった. 術後の成績はプロスタグランディンE1 20μgを用いた intracavernous injection test (ICI test) で3ヵ月ごとに評価し, 再発の傾向を観察した. Kaplan-Meier 法で手術成績を評価すると1年後, 3年後, 5年後, 10年後の非再発率はそれぞれ85%, 61%, 30%, 26%であった.
(結論) 手術成績は深陰茎背静脈手術群と海綿体脚部結紮術群の間に統計的な有意差はなかった. 合併症は深陰茎背静脈手術群で高頻度に認められた.