症例は4歳, 男児. 生来多飲多尿で1歳時に尿蛋白陽性を指摘された既往有り. 感冒様症状および腹痛下痢を主訴に当院小児科を受診し, 尿路感染症及び腎機能障害を認め精査のため入院. 超音波検査にて両側腎盂腎杯の拡張を認めたため当科紹介.
腹部・骨盤部CTにて両側水腎 (右萎縮腎)・水尿管・巨大膀胱を指摘. 排尿時膀胱尿道造影にて両側 grade Vの膀胱尿管逆流症, 膀胱容量の増大 (300ml以上) および残尿のない排尿を認めた. 尿流計は最大尿流量率21.6ml/sec, 排尿量110ml, 残尿量24mlであった.
以上より Megaureter-megacystis syndrome と診断し, Cohen 法による両側尿管逆流防止術を施行, 術後経過良好で外来観察中である.
Megaureter-megacystis syndrome は非常に稀であり, 本邦3例目と思われた.