日本泌尿器科学会雑誌
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遠隔手術支援システムによる腹腔鏡下副腎摘除術
牛山 知己鈴木 和雄青木 雅信高山 達也影山 慎二大田原 佳久藤田 公生内久保 明伸
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2003 年 94 巻 5 号 p. 582-586

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抄録

遠隔手術支援システムを用いて腹腔鏡下副腎摘除術を行った. 手術室と約100メートル離れた外来に設置したコントロールルームの間を光ファイバーでつなぎ, 手術室には端末モニター, 視野方向を制御可能なカメラ (OES Image Trac Video SystemTM, オリンパス社製), 画像伝送コントローラー, デジタル画像伝送装置, 外景を写すカメラを設置し, コントロールルームに端末モニター, 内視鏡カメラのコントローラー, 画像伝送コントローラー, デジタル画像伝送装置, 外景を写すカメラを設置した. 指導者と術者はヘッドマイクロフォンをつけて双方向で会話できるようにした. 指導者は音声, モニター上でのポインティングで指示し, カメラ視野のコントロールを行った. 患者は52歳男, 径2cmの左副腎腫瘍による原発性アルドステロン症. 手術は合併症なく手術時間3時間15分, 出血量少量で終了した. 手術中に器械のトラブルもなく, リアルタイムに鮮明な画像を送受信することができ, 離れた場所からのカメラ視野のコントロールもスムーズに行うことができた. 遠隔手術支援システムは腹腔鏡下手術のトレーニングや手術支援に有用な手段となる可能性が示された.

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