視覚の科学
Online ISSN : 2188-0522
Print ISSN : 0916-8273
ISSN-L : 0916-8273
総説
レンズ光学の基礎2:光学系の結像
加藤 欣也
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 36 巻 2 号 p. 16-19

詳細
抄録

結像は光学系を通して物体の像を形成することである。作図によって物体と像の関係を求めることができ,ガウスのレンズ結像式1/a+1/b=1/f が得られる。ここでa,b はレンズの主平面から物体,像までの距離,f はレンズの焦点距離である。光学系の横倍率βは,β=-b/a の関係がある。光学系の光軸方向の倍率は縦倍率αである。α=-(b/a)2=-β2 の関係があり,物体と像は同じ方向に移動する。γは光学系の角倍率で,γ=tanθ2/tanθ1 と定義される。θ1 とθ2 はそれぞれ肉眼とそうでない場合の物体頂点からの主光線がなす角度である。  虫めがねの倍率は明視の距離(L=250mm)における角倍率γであり,γ=250/f で与えられる。ただしf は虫めがねの焦点距離です。望遠鏡の倍率は角倍率であって,γ=fo/fe で与えられ,fo,fe はそれぞれ対物レンズ,接眼レンズの焦点距離である。

著者関連情報
© 2015 日本眼光学学会
次の記事
feedback
Top