視覚の科学
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総説
特集:MRIによる視覚研究 MRIの測定原理と視覚野分離
三崎 将也
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2015 年 36 巻 3 号 p. 51-55

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抄録

functional magnetic resonance imaging(fMRI)は,脳の視覚機能の研究において主要な計測法の一つとなった。fMRIでは神経活動に付随する血中の脱酸素化ヘモグロビン濃度の変化(BOLD信号)を計測することで,非侵襲に人の脳活動を計測できる。ただし,神経活動を直接計測するものではないことから,実験のデザインやデータの解析には様々な注意が必要とされる。この総説では,MRIとfMRIの計測原理について解説し,計測原理からくる信号の特性と時空間解像度,実験デザインにおける注意点について述べる。また,fMRIによる脳機能マッピングの例として,初期視覚野における皮質部位と視野位置の対応(レチノトピー)の検出と機能領野の分離についても解説する。

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© 2015 日本眼光学学会
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