2016 年 37 巻 2 号 p. 36-40
屈折矯正手術は, 健常眼に対して見え方の質の向上を目的とする手術である。古くは角膜に減張切開を行う放射状角膜切開術よりはじまり, エキシマレーザーの登場にて国内でもlaser in situ keratomileusis(LASIK)が流行した。しかし, 健常眼に対する手術であることから術後の臨床成績がよいことはもちろんのこと, より安全性が高いことが強く求められる傾向にある。単一施設による集団感染症事件, インターネットを中心とした“LASIK難民”というキーワードの乱立によって近年LASIKはネガティブな印象となり件数は減少しており, 代わって2014年に国内で認可された貫通孔付き有水晶体眼内レンズが“可逆的な手術”であることより注目が集まっている。