【目的】前眼部光干渉断層計(OCT)で水平直筋付着部距離を測定し, 小児と成人で比較すること。
【対象】遠見眼位が20△以内の斜位, 眼軸長28mm未満, 眼手術歴がなく, 研究への参加の同意が得られたボランティアおよび浜松医科大学受診者。小児を18歳未満, 成人を18歳以上とした。
【方法】前眼部OCTはTOMEY社SS-1000 CASIAを用いた。隅角底から内直筋および外直筋付着部までの距離を測定した。年齢と付着部距離, 眼軸長と付着部距離の相関を解析した。
【結果】眼軸長は小児が23.71±1.38mm, 成人が25.11±1.29mmで, 小児が有意に短かった。しかし, 内直筋付着部距離は小児が4.02±0.46mm, 成人が4.08±0.57mm, 外直筋付着部距離は小児が5.96±0.50mm, 成人が5.83±0.50mmで, 差はなかった。年齢と付着部距離, 眼軸長と付着部距離に相関はなかった。
【結論】前眼部OCTでは非侵襲的に外眼筋付着部の評価が可能で, 今回撮影できた最少年齢である4歳以上では, 水平直筋付着部距離は年齢や眼軸長に影響されないことが判明した。