2024 年 45 巻 1 号 p. 5-12
既報において被写界深度延長レンズ(伊藤光学工業社製ESレンズ)は,一般的な非球面レンズと比べ装用時の調節変化量が小さいことが示唆される結果を報告した。今回,被写界深度延長レンズ装用の眼疲労に与える影響を眼疲労の他覚的パラメータである融像維持能力と主観的パラメータであるSSQを用いて検討した。被写界深度延長レンズを装用することによって他覚的にも主観的にも視覚負荷後の眼疲労値が低下する結果となった。被写界深度延長レンズは装用により調節を多用する環境において調節反応が軽減される可能性があり,眼の負担軽減に繋がることが示唆された。