前腕再接着後の慢性期に生じた絞扼性神経障害に対し,多血小板血漿 (platelet-rich plasma : PRP) の局所投与が有効であった一例を報告する。40代男性,前腕再接着術後3年で尺骨神経領域に強い疼痛としびれを認めた。神経剝離術および人工神経を用いたnerve wrappingにより一時的に症状は改善したが,約1年で再燃した。術後6年で超音波ガイド下に尺骨神経周囲へPRPを局所投与したところ,疼痛および感覚障害は改善し,その後も再燃は認めなかった。外傷後の神経周囲母床環境が不良で再癒着リスクの高い症例において,PRPは神経周囲環境を改善する補助療法として有用である可能性が示唆された。