本研究の目的は、炎症を伴う胼胝の形態的特徴を明らかにすることであった。対象者は足部に無自覚な胼胝を有する糖尿病患者30名であった。生理学的手法としてサーモグラフィーと超音波診断装置(エコー)を用いて、炎症所見を同定した。つぎに、炎症の有無と形態の関係を検討した。炎症の有無で有意差のあった形態については、感度、特異度、陽性反応適中率、陰性反応適中率を算出した。対象者30名において63個の胼胝が観察された。サーモグラフィーとエコーにより炎症所見を伴う胼胝は10%であった。炎症のある胼胝では、境界が明瞭であった者の割合が有意に高かった(p=0.016)。炎症を伴う胼胝の形態的特徴において境界を指標とした場合、感度は60.0%、特異度は91.1%であった。炎症を伴う胼胝は境界が明瞭であるという形態的特徴の観察により早期発見できる可能性がある。