2015 年 19 巻 3 号 p. 309-318
本研究の目的は、特定行為を実施する皮膚・排泄ケア認定看護師(Tokutei Nurse、TN)がどのように特定行為の安全を確保しチーム医療に関与しているのか実践を明らかにすることである。対象は2011-12年に特定看護師養成調査試行事業の研修を修了し業務施行事業に施設が参加している皮膚・排泄ケア認定看護師(Wound, Ostomy and Continence Nurse、WOCN)6名である。対象者の1週間の日勤時間帯に研究者が直接参加観察を実施し、質的記述的研究方法で分析をした。その結果、TN は、『WOCN として培ってきた創傷管理技術と調整力を基盤とした、低侵襲で安全・安楽な特定行為の実践』をしていた。TN は、安全に関するルール・手順・プロトコールを遵守し〔自分にできる特定行為による治療〕を実施し、特定行為の安全を確保していた。さらに、〔適切な治療のために診療科を調整〕、〔WOCN の創傷管理技術と調整力を基盤とした安全・安楽な療養環境の提供〕ではノンテクニカルスキルを使用し、チームメンバーができる方法を選択することでメンバーは専門性を発揮し、安全な療養環境の調整に貢献していた。TN の〔苦痛を最小限にした侵襲的な治療と関わり〕では、特定行為を通じて患者の安全・安楽と自立を促進し、看護技術の要素を含んでいることが明らかとなった。