2015 年 19 巻 3 号 p. 346-350
[目的]皮膚・排泄ケア認定看護師による在宅同日同行訪問の運用に関する地域の訪問看護師の反応について調査をすることで、地域医療施設が必要としている要望を明らかにし、さらなる地域連携の強化対策について検討する。
[方法]南多摩保健医療圏に既存する47のすべての訪問看護ステーションへ質問紙を郵送し、実態調査を行った。
[結果]在宅同日同行訪問を実施した10施設、同行訪問未実施21施設から回答を得た(回収率66%)。在宅同行訪問利用施設では、同日同行訪問の運用、依頼方法の浸透度と関心は高く、担当医の前向きな協力が得られていた。また、在宅同日同行訪問未実施施設では、「運用方法が分かれば利用したい」という参加へ前向きな一方、「利用者の医療負担に対して躊躇する」「担当医への説明と承諾が必要」など消極的な視点の意見も多くみられた。
[結論]地域の看護師が、皮膚・排泄ケア認定看護師との在宅同日同行訪問のメリットをより理解できるよう積極的にアピールし、顔の見える関係を構築していくことが、在宅同日同行訪問のさらなる利用拡大と、地域医療の活性化につながると示唆された。