主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2016年度日本物理学会秋季大会
開催日: 2016/09/13 - 2016/09/24
Th-229の原子核はeV程度の非常に低いアイソマー準位を持つ。レーザー励起できる唯一の原子核として原子時計や基礎物理への応用が期待されるが、レーザー励起をするためには準位の決定精度が十分でなく、またこれまで脱励起光を直接観測した例はない。この準位を高精度で決定するため、SPring-8の高輝度放射光を用いた核共鳴散乱の手法によりアイソマー準位の一つ上の準位へ励起を行い、その脱励起によるアイソマー準位からの脱励起光の直接観測を行っている。本講演では実験の現状と高時間分解能検出器を用いた核共鳴散乱のデータ取得法について報告する。