フェムト秒2波長レーザーパルスでCO分子の回転波束を励起し、CO分子の回転周期近傍(8.85 ps)で偶数次高調波の信号強度を最大化する様にポンプ光の条件を最適化し、その同じポンプ光を用いて実際にCO分子がどれだけ配向しているかをクーロン爆裂イメージング(CEI)で明らかにした。CEIの回転温度の方が高調波実験のそれよりも低いので、マクロな分子配向が実現しているのであれば、偶数次高調波と奇数次高調波の強度比から見積もられた配向度を上回る値が観測されるはずであるが、偶数次高調波が観測されるものの、試料分子のマクロな配向は殆ど実現していないと考えざるを得ないのが今回の一連の実験の論理的帰結である。