主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2017年度日本物理学会第72回年次大会
開催日: 2017/03/17 - 2017/03/20
Gd_3_Ru_4_Al_12_の変形カゴメ格子は変形の度合いが強く、Gdイオンの小さな正三角形を一体の三量体クラスターと考えると、三量体クラスターが形成する三角格子と見ることができる。前回の学会で、この三量体は低温で強磁性的に結合し、S=21/2の合成スピンを作ること、したがってGd_3_Ru_4_Al_12_はS=21/2の三角格子反強磁性体とみなすことができることを報告した。今回、我々はGd_3_Ru_4_Al_12_の磁化、比熱を測定し、磁気相図を決定した。磁気異方性からこのスピン系は基本的にハイゼンベルク型であるが、弱いイジング性を伴っている。モンテカルロによる理論計算ではこのような三角格子反強磁性体の場合、SzとSxyは別々の温度で秩序化するとされている。我々はGd_3_Ru_4_Al_12_でこれに対応すると思われる逐次相転移を確認した。講演では磁気相図の異方性も含め報告する。