日本物理学会講演概要集
Online ISSN : 2189-0803
ISSN-L : 2189-0803
セッションID: 18pK22-1
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カイラルランダム行列理論におけるインスタントン数分布
大谷 宗久
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抄録

カイラルランダム行列模型は、グルーオンの自由度をQCDの対称性を反映させたランダム行列に置き換えることで構成されるものであり、有限温度におけるクオークスペクトルの変化やカイラル対称性の回復などを記述する理論として知られている。この模型におけるインスタントン数分布は、従来考えられてきたガウス分布などではフレーバーに依らずカイラルの相転移の次数が2次のままであったが、行列の次元が有限であることと、インスタントン間の相互作用の効果を考慮し、2項分布に変えると3フレーバーで1次相転移となることが指摘されている。本講演では、インスタントン数分布に多様性を持たせ、どのような分布が物理的に適切なカイラル相転移の結果を与えるか考察し、その妥当性について議論を行う。

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© 2017 日本物理学会
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