クロムフタロシアニン分子伝導体の均質な混晶における巨大磁気抵抗効果と磁化の相関

抄録

軸配位型金属フタロシアニン分子結晶は分子内π-d相互作用の影響で発達した電荷秩序を磁場で崩すことにより負の巨大磁気抵抗効果を発現する。我々はこの系において、スピン密度を操作し巨大磁気抵抗効果に対する局在スピン密度効果を調べてきた。今回、改良された合成方法によって均質な単結晶の育成に成功し、巨大磁気抵抗効果のスピン密度効果を、磁化率など他の物性と併せて議論できるようになったためその結果を報告する。