遷移金属トリカルコゲナイドにおけるディラック分散と電子相関効果

抄録

本研究では遷移金属トリカルコゲナイド系で実現しうる、スピン軌道相互作用と電子相関効果に起因した物性を理論的に探索した。我々は第一原理計算を用いることで、この物質群の一部ではフェルミエネルギー近傍にスピン軌道相互作用によりギャップの開いた複数のディラック分散が存在することを見出した。本講演では、こうしたギャップの三方晶変形による制御、現実的な電子相関効果を考慮した場合の基底状態、スピン軌道相互作用に由来した輸送現象について議論する。