PF₃分子の電子分光II：非弾性散乱過程

抄録

前回の日本物理学会において電子衝撃によるPF_3_分子の弾性散乱微分断面積(DCS)の定量測定結果を報告した。本講演ではその弾性散乱DCSを基準としPF_3_分子の非弾性散乱断面積の定量測定を行ったので報告する。特に今回は最低励起状態への電子励起過程に着目した。測定条件は交差ビーム法により入射電子のエネルギー100- 300 eV、散乱角1- 15°、エネルギー分解能約50 meVの条件で行い、励起積分断面積(ICS)の絶対値を導出し、当研究室で従来から行っているBEfスケーリングによるICSとの比較を行ったので報告する。