日本砂丘学会誌
Online ISSN : 2434-9291
Print ISSN : 0918-5623
塩水を用いた露地栽培結合型アクアポニックスは効果的に水を使用し環境汚染を軽減する
怒和 亜里寿, 山田 美奈, 九笹 逸郎, 遠藤 雅人, 山田 智
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 70 巻 1 号 p. 3-17

詳細
抄録
主に不十分な水や土壌と地下水の塩類化が乾燥地農業を制限している。これらの問題を対処するために,塩類化した地下水を使った新しい食料生産システムを開発し,乾燥地で稼働している。養殖,塩生植物の水耕栽培および土耕栽培で同じ水を使うことによって,高い水と栄養素の利用効率を実現し,塩を吸収するという塩生植物の能力により土壌の塩性化を軽減した。本研究では詳細に収量の評価や水と元素の収支を分析するために,2,922 ppm NaCl [PGW50] または5,844 ppm NaCl[PGW100] を含んだ擬似地下水を使い露地結合型アクアポニックスシステムを再現した。複数の元素が低いレベルかつ高いレベルでNa が存在しているにも関わらず,両処理区でフダンソウは同様の生育を示した。PGW50 とPGW100の全N 投入量のそれぞれ70.8% と60.6% が露地栽培へ移動し,N 基肥は一般的に必要な量の約5分の1に減らせた。3システムを独立して行うよりも水利用効率は両処理区で2.8倍高く,窒素利用効率はPGW50とPGW100でそれぞれ1.90,1.68 倍だった。直接塩濃度の高い地下水を灌漑した時と比較して,土壌へのNa 投入量はそれぞれ8.93%,16.5% 減少した。本研究のアクアポニックスが露地の塩性化を軽減し,高い水と物質利用効率を有した食料生産システムであることが定量的に示された。
著者関連情報
© 2023 日本砂丘学会
feedback
Top