理学療法教育
Online ISSN : 2436-8008
原著論文
Steps for Coding and Theorization(SCAT)を用いた理学療法士の職業特性に関する探索的研究
野中 嘉代子石野 麻衣子原田 伸哉山下 淳一堀本 ゆかり
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2024 年 4 巻 1 号 p. 1_38-1_57

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抄録

目的:Steps for Coding and Theorization(以下,SCAT)という探索的な分析手法を用い,理学療法士(以下,PT)の職業特性を明らかにし構造化することを目的とした。方法:Webアンケート(Google社製 Google Forms)を用い,「PTの職業特性(独自性・専門性)についてどのように捉えているか」を自由記述で問うものとした。対象はPT139名(男性104名,女性35名,平均年齢34.8±9.1歳)である。取り込み基準は,臨床施設あるいは教育機関に所属し,現在理学療法業務に従事しているPTとした。得られたテクストデータの分析には質的分析方法であるSCATを用いた。結語:PTの職業特性7つの概念が明らかとなった。PTのプロフェッショナリズムに関連する要素,PTの職業特性を説明し,PTの職業特性を示すことができた。一方で,リハビリテーション医療の包括的視点に関する記述が多く,他の職種との区別が難しいテクストが複数含まれていた。このことからも,一部PTにおける専門性の不透明さを示す結果となった。

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© 2024 日本理学療法教育学会
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