2024 年 4 巻 1 号 p. 1_58-1_66
本研究の目的は,4年制理学療法士養成大学に在籍する低学年次学生(1・2年次生)を対象に,学習動機づけと職業的アイデンティティの明確な特徴とその関係を明らかにすることである。学生152名(1年次生:72名,2年次生:80名)を最終的な調査対象として,横断的な質問紙調査を実施した。その結果,1年次生と比較して2年次生では学習動機づけが有意に低く,特に学習内容関与型の「訓練志向」の側面で低いことが観察された。同様に,職業的アイデンティティのすべての項目のスコアは,1年次生に比べて2年次生の方が有意に低かった。学習動機づけと職業的アイデンティティの関係を確認するために,各カテゴリーについて相関係数を算出したところ,1年次生と比較して2年次生では相関係数が低かった。これらの結果から,1年次生と2年次生では,学習動機づけと職業的アイデンティティが異なっており,これらの要因間の関連は変動的であることが示唆された。