2023 年 3 巻 1 号 p. 17-21
【目的】新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)蔓延下において主観的運動量増加と精神的健康度との関連を明らかにすること。【方法】対象は,理学療法士・作業療法士養成学科の大学生153 名とした。年齢,性別,主観的運動量,運動習慣および,精神的健康度の評価として日本語版Kessler psychological distress scale (K6)を使用した。【結果】主観的運動量増加群は15名(9.8%)であった。主観的運動量増加群では,運動習慣有りの割合が有意に高く,K6の総得点が有意に高かった。ロジスティック回帰分析の結果,年齢・性別で調整後も主観的運動量増加は,精神的健康度の低さ(K6高得点)と関連していた。【考察】主観的運動量増加と精神的不健康(K6)が関連していた。COVID-19蔓延下において大学生へ運動習慣を促すことは大切だが,精神的健康状態を考慮する必要があることが示唆された。