2024 年 3 巻 2 号 p. 2-9
【目的】早朝のラジオ体操会への参加による,地域在住高齢者の1 年後の身体機能,精神的健康度,社会的紐帯への効果を明らかにすることとした。【方法】ラジオ体操会に参加している地域在住高齢者(体操群)と同地域で開催した介護予防健診に参加し,傾向スコアマッチングで抽出された地域在住高齢者(コントロール群) 84 名を対象に,ベースライン及び1 年後調査で,体力測定,WHO-5 精神的健康状態表,Lubben social network scale 短縮版(以下,LSNS6)を聴取し,一般線形モデルの反復測定を用いて分析した。【結果】 5 m 最大・快適歩行時間,Timed Up and Go test, LSNS6 友人関係得点に測定時期と群間での交互作用が確認(p<.05)され,体操群で良好な結果を示した。【考察】早朝のラジオ体操会への参加は,歩行能力の維持と社会的紐帯の増加に効果があることが明らかとなった。