2024 年 3 巻 2 号 p. 18-24
【目的】急性期病院における転倒転落(以下,転倒)の特徴を経時的・診療科別の観点から明らかにする。【方法】対象は2017年から5年間に転倒した入院患者とし,性別,年齢,診療科,入院日,転倒日時,発生場所,行動目的を収集した。また転倒率,損傷発生率,転倒発生までの日数を算出した。さらに発生時間を6時から14時,14時から22時および22時から6時に分けて集計した。【結果】転倒は男性が常に過半数を占め,排泄関連で52.7%,ベッドサイドで59.6%が生じていた。また22時から6時の転倒は他の時間帯より多く発生し,緩和ケア科と整形外科は他の診療科より入院から転倒までの日数が長かった。また5年間を通じ転倒率,損傷発生率は全国平均より低く,緩和ケア科が最も高く推移した。【結論】性別,行動目的,発生場所,時間帯は先行研究を支持し,継続して転倒率の高い診療科や診療科毎の転倒時期に注意した対策が必要である。