抄録
本稿では、筆者のこれまでの高齢者研究への取り組みについて研究論文を基に解説する。我 が国は諸外国に例をみないスピードで人口高齢化が進んでいる。特に高齢期においてはフレイ ル者への介護予防が重要となるが、筋量の減少がフレイルの進行を速める、さらに筋量の減少は部位ごとに異なる、という報告からフレイルと身体各部位筋量との関連性を明らかにすることを目的に研究を始めている。このように研究を始める前には仮説を立て、その問題の仮説を 検証する必要がある。そして、本研究の目的を達成するためには必要な対象者と測定方法さらに統計解析を述べる必要がある。最後に、考察および結論では研究結果を基に本研究の①新規性、 ②独創性、③論理的、④臨床への応用性、を述べる必要がある。以上のことから、本稿においては一つの研究論文が完成まで至るプロセスを筆者の体験を交えて紹介している。