抄録
「症例」40歳代の男性で、職業は営業所管理職。大動脈二尖弁による重症大動脈弁閉鎖不全症で、左室駆出率(LVEF)23%とLVEFの低下した心不全(HFrEF)と診断された。大動脈弁置換術術前に、体重・血圧測定の心不全管理・心不全の病態と増悪症状についての心不全教育を行い、運動療法のため外来心臓リハビリテーションを行った。減塩を守るため食事摂取量と摂取カロリー不足により体重2㎏以上減少したため、栄養指導を行った。術前心臓リハビリテーションによって心不全は増悪せず、体重2.8㎏増加し、6 minitues walk test(6MWT)も447mから537mに改善した。大動脈弁置換術を施行し、退院2日(術後15日)から職場に復帰した。
「結論」心臓血管術前の運動療法と栄養療法介入を行い、手術まで心不全再増悪なく運動耐容能改善が可能だった。術前より運動療法と栄養療法と疾病管理の実施を考慮すべきである。