2022 年 32 巻 1 号 p. 10-14
【目的】自宅でのハムストリング強化エクササイズを8週間行い、変形性膝関節症(以下:膝OA)患者の歩行時痛や筋断面積、筋輝度の変化を確認すること。 【方法】対象は膝OA患者12名の患側とし、介入群6脚と対照群6脚に分けた。介入群は、ゴムチューブを使用してセルフエクササイズを8週間行った。測定項目は歩行時痛の程度、等尺性膝伸展・屈曲筋力、超音波画像診断装置を用いた半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭の筋断面積および筋輝度とした。統計学的解析はFriedman検定および反復測定一元配置分散分析を行い、事後検定としてBonferroni法を用いた。 【結果】介入群では歩行時痛が減少し、等尺性膝屈曲筋力が増加した。筋断面積は半腱様筋が8週間後に増加し、筋輝度は半腱様筋、半膜様筋が4週間後に減少した。 【結論】膝OA患者に対するハムストリングの筋力強化は、歩行時痛軽減に有用である可能性が示唆された。