2026 年 28 巻 2 号 p. 165-174
高齢化や在院日数の短縮に伴い,在宅で下肢創傷を治療する機会は増加しているが,その実態や課題は十分に明らかにされていない。本研究は,在宅下肢創傷医療の現状と課題を明らかにすることを目的に,2022年10月20日から2022年11月20日に日本褥瘡学会・在宅ケア推進協会会員を対象としたWebアンケート調査を実施した。112名から回答を得た結果,施設勤務者や訪問看護師を中心に下肢創傷の重症度・緊急度判断への自信不足,保険・診療報酬制度に関する知識不足が明らかとなった。一方で学習意欲はあるものの,学習機会の不足が指摘された。さらに,十分な知識や経験がないまま専門医紹介の判断や爪ケアが行われている実態も示された。本調査から,在宅下肢創傷医療の安全性と質の向上には,病院との連携強化と在宅従事者への体系的教育の充実が急務であることが示唆された。