脊髄損傷後に褥瘡を再発した60歳台男性に対し,動画フィードバックと個別性に特化した書面教育を行い,再発予防に効果を示した1症例を経験した。患者は40歳台で脊髄損傷と診断後,両坐骨部と仙骨部に褥瘡を発症した。初回入院時は,褥瘡予防に関する口頭指導と動作練習を受けて退院したが,2週間で再発した。再入院時には生活状況を再評価し,殿部のせん断応力と摩擦が再発の主因と判断された。そこで,動作を動画撮影し視覚的フィードバックを実施するとともに,動作課題に即した個別性の高い書面を作成し教育を行った。介入後,自身の動作上の問題点を明確に認識し,知識を深める姿勢がみられた。最終的には従来の生活様式の見直しと再発予防に向けた行動変容が確認され,退院後再発はみられなかった。動画フィードバックと個別教育の併用は褥瘡再発予防に有効である可能性があり,今後より多くの症例での検証が必要である。