抄録
1)牛の羊水量は妊娠5ヵ月齢を最高に,6ヵ月齢より漸減したが,尿膜水量は胎齢の進むに従い増量した。また,pH値は胎齢の進むに伴い酸性側に傾いた。
2)羊水中の総蛋白量は妊娠7ヵ月齢で最高を示したが,これら羊水中のprotein compos至tionは,妊娠7ヵ月齢まではAlb.,α?SUB?1?/SUB?,α?SUB?2?/SUB?-glob.を認めたが,8ヵ月齢以降のものではさらにβ-glob.の増量を認めた。
3)尿膜水中の総蛋白量も妊娠7ヵ月齢で最高量をみたが,protein composisionは,妊娠3,4ヵ月齢でAlb.,α?SUB?1?/SUB?,α?SUB?2?/SUB?並びにγ-glob.を認め,7ヵ月齢以降ではr-giob.が消失しβ-g1ob.の発現を認めた。
4)妊娠3,4ヵ月齢の尿膜水中でr-glob.の存在を認めたことから,ウシでは妊娠3および4ヵ月の前後に一時的な抗体移行の行なわれることが認められた。