家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
山羊と牛における着色副精巣の組織学的観察
森 彰
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1957 年 2 巻 3 号 p. 98-100

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抄録

山羊•和牛及びRattus属の着色副精巣を観察し次の様な結果を得た。
1)低栄養による繁殖障害と考えられる成牡山羊で「着色副精巣頭部」を観察した。
2)このものの精巣と着色副精巣頭部の頭毛上皮細胞は共に退化し,この頭部内に「微小運動体」が見られ,又上皮細胞内には「eosin好染性穎粒」が存在した。
3)これらの諸現象は低栄養による繁殖障害において特に伴う現象と考える。
4)しかしこれらの現象の由つて起る原因,夫々の性状と意義並に相互の関連等については何等明かにしえなかつた。
5)正常若牡山羊でも着色副精巣頭を見たが,この場合は「melanin性色素体」によるもので,生殖腺の退化はない。
6)同様に和牛でも見たが組織の退化はなかつた。しかし着色頭部内には「微小運動体」があつた。
7)Rattus属においても性腺の退化を伴わない着色副精巣頭を有する多くの個体を見た。

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